流星 おがしゃのブログ

冒険という夢を追いかけて世界を旅するフラッシュパッカー ゼロからのブログ

旅人の妄想-1

ホテルからの目覚め

ここは何処なのか、目覚めるといつも不安な気持ちになる。

長旅を続けていけば時空に歪められて居場所が分からなくなる。

 

突然、夜中に自分の鼓動の高鳴りで目を覚まし、ベッドに居ることに安堵する。

隣で眠っている人はいない、自分だけの部屋を確認して再び眠りにつく。

 

でも目を閉じても眠れそうにない。胸騒ぎがする。

昨日は飲み過ぎでよく覚えていないのだ。

恐る恐る起きだし、バスルームに向かう。

バスタブには女性が死んでいる。

綺麗な死に方だ。

不思議と驚きがない。まるで夢でも見ているように。

 

私は慌てることもなく着替えを済まし、荷物をまとめ、財布の中身を確認して、ホテルのフロント受付へ電話をかける。

「これからチェックアウトをお願いする」

「承知しました。ミニバーはお使いでしょうか?」

「いや、使っていない」

「それではキーをお持ち頂きフロントへお越しください」

「わかった、ありがとう」

洗面所でバスタブで死んでいる女性を横目で見ながら顔を洗い髭を剃って歯を磨いた。

 

朝の6時近くだが、私はフロントにキーを渡してチェックアウトした。

「ありがとうございました」フロントの女性が笑顔で応える。

「バスタブに女性が死んでいたから・・・処理をお願いするよ」

「はい、かしこまりました。お代金は口座に振り込みましょうか」

「いや、チップで取っといていいよ」

「いつもありがとうございます」受付の女性はお辞儀をして礼を言った。

 

バスタブで女性が死んでいることは、よくあることで誰も気にしていない。

昨日はたまたま運が良かったのかもしれない。

清掃係は、死体処理袋に詰めて業者に送ると報酬がもらえるのだ。

 

ベッドの下の死体を気付かず数ヶ月過ごした旅人もいる。発見すれば多少のお金になったかもしれないのに。

 

誰が殺したのかはわからないが、今の時代は魂が幾らでも新しい肉体を買える。

だから警察も犯人探しなどしない。21世紀に流行ったアバターゲームのように生きているから。

f:id:ogasha:20161003212745j:plain

※この小説は一部ノンフィクションを含んでいる。

 

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com

ogasha.hatenablog.com