流星 おがしゃのブログ

冒険という夢を追いかけて世界を旅するフラッシュパッカー ゼロからのブログ

キューボール #15 セベロドビンスク港の夜

15

 セベロドビンスク港都はロシア海軍従事者で賑わっていた。海軍造船所の街でもある。

 

 ロシアンビリヤードはキューボールが全ての球となっている。最初のキューボールだけ色がついていて、それ以外は15個の白球がフリーピラミッドで構成されている。球の大きさも通常より大きく作られポケットに入れることが簡単ではないようにできている。キューボールのスクラッチでも得点が加算される。8個の球を先に沈めたプレイヤーの勝利という変わったルールだ。

 

「町田さん、これ難しすぎますよ! ボールが大きくてボケットに入りません!」 

小笠原と町田はロシアンビリヤードを試していた。

「これは難易度高いな、ルールもよくわからないね。でもロシア人のプレイを見てたけどキューボール含めて8つ落とせばいいんじゃないか?」

「落とせばいいってもんじゃないでしょう、町田さん普通のビリヤードにしませんか?

あっちの台なら9ボールしてますよ」

「まあ、ちょっとやってみようよ」町田はロシア人に話しかけゲームを開始した。4人によるチーム対戦だ。

『じゃ、小笠原くん。僕から始めていいかな? よし! キューボールを当ててポケットへか、普通じゃないね』

町田がブレイクショットした。

 

 黒球のキューボールを左端の白球に当て黒球が左隅のポケットに入った。スクラッチだ、通常であればファールなのだがロシアンビリヤードでは得点なのだ。全ての白球が次々とキューボールとなってポケットに落ちていく。あっという間に8つ目の球を沈めた。

『あたなプロですか? 私達ではゲームになりません。やめましょう』

ロシア人の一人がお手上げという表情で町田に話した。

『すまない、彼はプロなんだけど。僕はたまたま運が良かっただけなんだよ』

 町田は申し訳なさそうにロシア人に言った。ロシア人の二人はビール2本を町田と小笠原に奢って店を退散してしまった。

「町田さん!やりすぎですよ。あのロシア人かわいそうに・・・・・・それにしてもロシアンビリヤードうますぎでしょ! 」

「いやぁ、力任せにやったら全部入っちゃたんだよ。まいったな~」

「これで噂になって、この店にもう来れないかもしれませんよ」

「そうれはまずい。俺たちも退散しなきゃ」

「あははは、じゃこのビール飲んで帰りましょう」

町田と小笠原はビールを飲み干して店をでた。

 

「もう一軒行こうか? どうする小笠原くん」

「じゃ普通のビリヤードやりましょうよ」

  二人はロシア最大の原子力潜水艦「セベロドビンスク」の故郷でプールバーを渡り歩いていた。