流星 おがしゃのブログ

冒険という夢を追いかけて世界を旅しています。いつしか世界中を巡り自分の居場所を探し出したいと考えています。 

旅すること

人生で一番幸せな時の流れ

キューボール #17 謎の白装束

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 赤の広場(クラースナヤ・プローシシャチ)ロシア語では美しい広場の意味だ。

雨の中でも聖ワシリイ大聖堂では多くの観光客で賑わっていた。

 

 モスクワの聖堂近くにある建物の周辺には白装束を纏った人影が群れをなして集まっていた。その建物自体も白で統一され異様な雰囲気が漂っている。

 

 白い建物は地下室が数多く存在しており、その地下室の一番遠い部屋からは滴が垂れる音とともに呻き声が聞こえるのであった。囚人服を着せられた男が手足をチェーンで縛られて錠をかけられていた。頭には袋が被せられており、水滴が垂れ落ちる毎に呼吸が苦しくなって呻き声を上げていた。

  

 暗い地下室に白装束の男が二人下りてきた。

 「どうかね、アレンスキー君。いやナンバー27654960・・・・・・。苦しいだろうねぇ、水滴が落ちてくるのが怖いだろう? そろそろ博士の居場所を吐いたらどうなのかね」

もう一人の部下と思われる白装束が頭に被せてある袋を取った。目は窪み、恐怖で頬が痩けていた。思い切り息を吸い込んだ勢いで痰が喉にからんだように咳き込んだ。

「ゴホッゴホッ・・・・・・ああ、貴様か。何度も言っているが博士なんてのは知らないんだよ! 」

「ホッホッホッホッ、アレンスキー君。強がるじゃないか、これから辛くなるよ。今のうちに吐いた方がいいと思うがねぇ」

「あゝ止めてくれ!本当に知らないんだ、助けてくれ。俺は英国の諜報員No27654960・・・・・・。それを打たないでくれー! うわぁあゝ・・・」

 

 もう一人の白装束の男が注射器をアレンスキーの腕に打った。目から涙があふれて見る見るとアレンスキーの皮膚が黒ずんでいく。痙攣を起こしながらも死ぬことができない苦痛だけの状態となった。

 

「さぁて、教えてくれるかな、No27654960・・・・・・

・・・・・・博士は・・・・・・・・・・・・」アレンスキーは譫言のように小声で言い続けた。

「博士はいない・・・もう博士はいない」

 「がっかりだよ、アレンスキー君。・・・・・・サヨナラだね」

白装束の男は拳銃を取出し、頭に狙いをつけた。

そして、しばらくして再び拳銃をしまった。

 「アレンスキー君、また明日来るよ。君が生きていればね、アッハッハッハ・・・・・・

 

 二人の白装束の男は鉄格子の部屋に再び鍵を締めて階段を登っていった。地下室には彼以外にも囚われている人々が呻き声を上げている。この白い建物は宗教団体の施設である。

 先程の白装束の男は新興宗教の教祖で「ASANO」という名の人物だった。