流星 おがしゃのブログ

冒険という夢を追いかけて世界を旅するフラッシュパッカー ゼロからのブログ

キューボール #18 館のチェス

18

セベロドビンスク港都

MAP

 セベロドビンスクからモスクワまで車で約15時間半、電車では約24時間、飛行機では1時間45分で行ける距離にある。 また、セベロビンスクから南西にはプーシキンという街がある。セベロビンスクとモスクワとの中間距離に位置する。プーシキンという街はサンクトペテルブルク市に属している。この街は18世紀ロシア皇帝の避暑地でもあった。

 

 ロシアの宗教はロシア正教会、東方典礼カトリック教会の他にキリスト教、ユダヤ教、仏教、イスラム教、新興宗教など多数ある。スターリン時代に「白衣の陰謀事件」が発生してからユダヤ教への迫害が続いていた。ロシアでは宗教間の争いが絶えない悲しい歴史を持つ。 

 

 プーシキン街の一角に厳重なセキュリティを持った館がある。この館のリビングルームには 町田と小笠原そして野沢の三人の姿があった。

 

 小笠原がソファーでスマートフォンを片手に言った。

「野沢さん、大丈夫ですか? 長旅だったから、少し休んでた方が良いですよ」野沢加奈枝は少し咳き込みなが応えた。

「ええ、大丈夫よ。コニャックを少し飲んで眠るとするわ」

「そうしてください」

野沢加奈枝はソファーから立ち上がり、自分の部屋に向かった。

 

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 小笠原が町田に声をかけた。

「町田さん、野沢さんは大丈夫ですかね」窓際でVapeを吸いながら町田が応える。

「ああ、大丈夫だろう。医者でもあるし。彼女はここでしばらく静養するべきだな」

 

 町田は窓際から歩いてきてソファーに座り小笠原に言った。

「彼女が送ってあるデータ解析は君のプログラムでどのくらい進行している?」

「ええ、教えていただいたクラウドデータを僕の人工知能プログラムでリンクさせてもらってから進捗度は60%になりかけてますね。あと2,3日で完了するんじゃないでしょうか」

「そうか、じゃここにいる間に分析完了ということか」

 

 町田と小笠原はビリヤードがないこの町で腰の浮き立つような手持ちぶさたの気持ちだった。

「小笠原くん、君はチェスできる?」

「ええ、多少腕に覚えがありますよ」

町田は破顔一笑して立ち上がりチェス盤と駒を取りに行った。小笠原も立ち上がり、ロシアビールのバルティカとウォッカとキャビアとチーズを取りにキッチンへ向かった。

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「じゃ、小笠原くん! まずは乾杯しよう」

「カンパーイ! ロシアにカンパーイ!」

 

 二人は盤チェスボードに駒チェスピースを並べながら。

「ところで小笠原くん、ビリヤードもプロ資格持ってるようだけどチェスもプロ級なの?」

「まさか! ロシアのウラジーミル・クラムニクさんと対戦した事はありますけどね。ボロ負けでした! あははは~」

「えっ・・・・・・あの世界チャンピオンとチェスを・・・・・・君は一体?」 突然、町田から異様な熱気が漲りだした。

 「じゃ、町田さんからお願いしまーす!」

 

 町田が震える手でポーンを一歩進めた。