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THAI LIFE OGASHA 旅すること 

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5年間の旅 #2

ここはどこだ?

 

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太陽が眩しい。見慣れない風景に目覚めた。

 

頭痛がする、かなり激しい。

 

喉がカラカラだ。

 

確か昨夜は飲んで一部の記憶しか残っていない。

 

楽しかった記憶と思い返すと辛かった記憶。

 

ここは日本なのだろうか?

 

旅を続けているとここがどこなのか分からなくなってしまう。

 

しばらくすると確認できた。

 

ここはアフガニスタン。

 

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戦場地域で悪魔のような世界であったアフガニスタンの街が現実にある。

 

何故ここにいるのだろう。

 

逃げ出したい衝動にかられてベッドから起き上がる。

 

思い出した。あの日から旅立った記憶が蘇ったのだ。

 

突然訪れた運命。

 

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火の海の中で拾ったジュラルミンケース。

 

自宅に戻って旅支度をして全てを清算した。

 

そうだ思い出した。

 

タイ・バンコクに最初に行ったことを。

 

あの火だるまの男は何だったのだろう。

 

燃える店内の中で男は叫んでいた。

 

「神は偉大なり」

 

そして自分は彼のジュラルミンケースを引き受けて店を出たことを思い出した。

 

身支度をした。黒一色の上下に身を包んでだ。

 

アフガニスタンのホテル階段を降りて受付が見えた。

 

「バイ サナームビン カン ナ カップ」

 

受付フロントでタイ語を話す男が自分に話しかけた。

 

「ター パイ ダイ チャ パイ カップ」

 

タイ語が自然と話せる。

 

俺は一体どうしたのだ。取り敢えず空港に行ってここから脱出しなければならないということが優先された。

 

彼の言う通りタイへ戻ろう。それしか頭には浮かばなかった。

 

日本での惨事を振り返る余裕はなかった、今しかないという決断だった。

 

「ヨートイアム!」

 

時空の波に流されて意識を失ったかのような状況になった。

 

現実なのか夢なのか何もわからない状態が続いて、自分自身の存在までも疑うようになっていた。

 

タイランド?

 

かすかな記憶が頭の隅にある。

 

「サワディカップ」

 

そして日本人街の人々。スクンビット。

 

今はタイに行くことしか考えられない。

 

アフガニスタンの部屋を荷物一つで脱出した。

 

「ミスター、これが航空券です」

 

タクシーに乗る前にその男は日本語で航空チケットを自分に渡した。

 

フランス経由だ。

 

現実を理解できない自分を「記憶喪失」と言うのかもしれない。

 

アフガニスタン・カーブル国際空港からフランスへ向かった。

 

何かおかしい。

 

これば現実なのか?

 

祐介はスーツ姿で虚ろ気な眼をして搭乗していた。

 

このまま死んでたまるかよ。やりたいことが山ほどあるんだ。

 

サングラスを掛けた祐介はフランス語で呟いていた。自身で呟きがフランス語と分かった時、脳へ何か電流が流れていくことを感じていた。

 

フランス行の飛行機は定刻に出発した。

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